さて、前回まではA段階についてでした。

A段階の限界地点は、もう何も求めない事です。
求めても仕方ないからです。

もちろん、求める事が起これば、求めます。
しかしそれまでとの決定的な違いは、求める事に巻き込まれなくなっていることです。
彼らは、求める事が起これば、それを受け入れます。
なぜなら、どうしようもないから。

このように人生を生きていくと、彼らはS段階に到達します。

☆S段階の特徴

では、S段階は、どのような在り方かを見ていきましょう。
S段階は、下記のような特徴があります。

・見るものと見られるものと見ることが同じであると主張する。
・私が時間と空間の中にあるのではなく、時間と空間が私の中にあることを知る。
・世界の中に私が生まれたのではなく、私の中に世界が生まれたことを知る。
・目覚めた眠りについて語りだす。
・思考と行動に何の障害も見出さなくなる。
・創造も破壊もない、と主張する。
・何かしている感覚がなくなる。
・間違ったエゴ、個人的行為者の感覚が完全に根絶やしになっている。

彼らは、このような事をはっきりと語りだします。
彼らは、ついに平安を手に入れたのです。

もはやその人は、誰それという名前を持った人ではなくなったのです。
他者から見れば、彼らはまだ機能しています。
しかし、もうそこにあの人はいなくなってしまったのです。
なんという偉業でしょうか!!


☆間違ったエゴが怖れる事

何度も言いますが、あなたに間違ったエゴを終わらせる事はできません。
なぜなら、終わらせようと思っている当人がエゴだからです。

間違ったエゴの最大の恐怖は、消滅する事です。
間違ったエゴは、それを絶対に阻止します。
あなたがそれをしようと思っているのなら、必ず失敗します。

ですので、他の段階と同じように、間違ったエゴが終わることも神の意思によります。
なぜなら、あなたは行為者ではないのですから。
あなたは見せかけの意思を持っていますが、それは見せかけに過ぎません。
自分がしていると錯覚しているのです。

けれども、私達は、なぜかを知りたいと切望します。
神の意志を知りたいと思います。
それはもっともなことですが、残念ながら知ることは出来ません。
知ってはいけないのではなくて、どうやっても知れないのです。

これが、知る者を知る事はできない、という意味なのです。

なぜなら、あなたが知る者だからです。
あなたがあなたでなく間違ったエゴであるとき、知りたいと願うのです。

そういうわけで、S段階も他の段階と同じように、
それが神の意思であるなら、そこに達します。

☆誰が気にするのか!?

私がお伝えしたいポイントは、そうでないからといって、がむしゃらになったり、
ヒステリーになったりしないでください、ということです。
もちろん、そのような反応が起こるのは、そうセットアップされているのですから、
仕方ありません。それが神の意志なのですから。

ポイントは、つまりあなたが行為をしているわけではないのですから、
それに対して責任を感じる必要はない、ということなのです。
わかりますか?

もしこれを受け入れることが出来れば、なんと素晴らしいことでしょう!
もし、あなたがこれを受け入れられたら、そうではないからといって、
自分をダメだと思わなくなり、よって、嫉妬もなくなり、怒りもなくなります。
どうでもよいからです。

まさしく、ラメッシ・バルセカールが言うように、一体誰が気にするというのか!?
ということなのです。

以上で、人間の進歩度合いのチェックの講義を終了いたします。