☆文化祭前日
この映画には、あらゆる仕掛けがかけてあります。文化祭当日ではなく、文化祭前日という設定。
なぜ、文化祭当日ではないのでしょうか?
この映画を観ながら、私はその仕掛けの素晴らしさに完全に打たれたのです。
他の方は、違うかもしれません。
けれども、私自身にとっては、文化祭は、当日よりむしろ、前日のほうが意味があったのです。
☆非日常
姉の部屋で映画を観ながら、私は自分自身が中学生の時を思い出していました。クラスでの文化祭準備に追われていたあの日々を。
普通なら夜には学校にいることはありません。
その時間にクラスのみんなと準備をしていたのは、私にとっては、まさしく非日常的な体験でした。
また私自身、クラスの女子と恋をしていたので、まさしくビューティフル・ドリーマーと一緒の設定だったのです。
覚えているのは、準備をしながら、私はこの時間が永遠に続いていて欲しい、と心底思っていたことです。
文化祭が始まらず、ずっとこのままでいたい、と本当に願っていました。
自分自身のこのような体験から、この映画を見直してみて、本当にびっくりしたのです。
なるほど、幼稚園の時には理解できなかったはずなのです。
文化祭というものがないのですから。
☆様々な仕掛け
この映画には、文化祭前日という設定だけではなく、いろいろな仕掛けが他にもなされています。音楽、夢、夢邪気、DNA、雲、時間、何気ない台詞…
これらが適切な場所で、シンボルとして使われているのです。
直接言葉で伝えるのではなくて、このような一種の仕掛けを用いることで、
まさしく幻想のヴェールを持ち上げることが出来るようになっています。
(つづく…)
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