☆傲慢さよりも謙虚さを優先させる

ただ、この理解の問題点は、では自分自身がどの程度の段階にいるのか?
それが客観的にわからない、ということです。

それを数字などで現す事が出来れば、誰もがある程度、納得がいくのでしょうが、そういうものは今の所、ないのですね。

そこが導き手が難しくなるところなのですが、こういう理由から、たとえば、デヴィッド・R・ホーキンズさんのようにレベルを客観化する仕事に従事している方などが現れるのです。

こういうわけで、客観化できないがために、今、自分がどのあたりにいるのか?それがわかりません。そして、わからないがために、たとえば、まさか自分が5センチのところをうろうろしている、とは気づかないのです。

こういう例は、もちろん膨大にあります。

グループミーティングやクラスに参加された方であれば、ここで言わんとしていることがどういうことなのか?痛いぐらいにわかるのではないかと思います。

ここで、典型的な例を一つあげてみようと思います。

これは、かなり昔、私のもとを訊ねてきたある人物の例です。

その方と話している中で、ふと、私とは一体、何なのか?何者なのか?誰なのか?という内容に入ろうとした瞬間でした。

その瞬間、その方は、自信満々に

「いえ、そんなことはもう知っています。私は、もうそれについてはわかっているんです」

と言い放ったのです!

つまり、そんなくだらないことではなくて、もっと私が知りたいことについて話せよ、という要望でした。

で、私は面食らった……
わけではありません。

もう知っていたからです。

その方がそういう風に発言しても、なんらおかしくはない、ということをもうすでにわかっていたからです。

その方とは、もちろん初対面でしたが、一目見た瞬間、私はわかりました。
「あぁ、なるほど」と。

このようにもうわかっていたので、そのように言い放っても、何も驚くことはありませんでした。

その方は、わかっていると自身満々に言っていましたが、
私が見える事は、「全くわかってないな」、ということでした。

ただし、この方が間違っているか?と言われれば、それは違います。
けれども、それは やはり間違っていると いう事になるのです。

これはどういう事かといえば、その方のレベル、段階ではわかっているのです。確かに。
だから、正しいのです。
その方の身長から見える景色、理解は、その身長からで言えば、確かに間違っていないのです。わかっていると思って、当然なのです。

ですが、間違っています。
なぜなら、もっと上のレベル、もっと高い身長からでは、そうではないからです。
その方は、全然わかっていませんでした。
わかっていないことをわかっていませんでした。
つまり、知っている事を知らないのではなくて、知らないことを知りませんでした。

ここでの問題は、その方は、更なる上のレベルがある、ということを今までの人生で経験してこなかった、ということなのです。
疑いなく、そのような存在に出会ってこなかったのです。

このように、わかっていないことを自覚しているならまだいいのですが、わかっていると強く思いこんでいる人の場合は、非常に非常に非常に厄介なのです。

ですので、もちろん、あなたは間違っています。とは直接言わずに、いかにその方がわかっている、と思っている事がわかっていないのか?
それをあらゆる話し方で理解させなければいけませんでした。

これが、先述した、ラメッシ・バルセカールが言及していたクリシュナの話しの例です。

(つづく…)

【レベル】:ゴールドクラス~ユニティクラス