サークルの彼方へ

ゴールドクラス 2 許す、ということ

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前回は、ゴールドクラスのスタンダードな在り方を見てきました。

この講義から、ゴールドクラスの中核的な理解について、見ていこうと思います。

・限界を超えて

まず今回は、『許すこと』 についてです。

この許すという在り方を実践できないがために、私たちは、首根っこを押さえられているわけです。

ですので、逆に言えば、間違ったエゴ、つまり人類の進歩は、この許すという在り方にかかっている、とも言えるのです。

言ってみれば、この在り方が出来るか出来ないかで、進歩の度合いがはっきりとわかるのです。

ホワイトクラスの段階では、許す、ということが出来たり、出来なかったりしていました。非常に不安定だったのです。

そして、最も重要なことに対する許しには、触れることは出来なかったのです。
ここが、ホワイトクラスの限界です。

しかしながら、ゴールドクラスの段階では、そこを超えます。

その一線を、ついに超えるのです。

・許しとは?

では、いったい、許しとは一体、何なのでしょうか?
ここで言及している許しとは、私たちが知っている許しとは、違うものなのでしょうか?

恐らく、違うでしょう。

恐らく、というのは、私にはそれほど前提となる知識が豊富にあるわけではありません。

許し、と言えば、聖書などによって、よく言及されているようですが、私は、それについて、よく知りません。

ただ、私が以前思っていた許しとは、全く違う性質のものだ、ということです。

・誰を許すのか?

私たちが、許すというとき、状況や相手について、許すのではないでしょうか?

確かに、それもまた非常に高い在り方です。
なぜなら、状況や相手を許すとき、当人の中で、大きな障害物を呑み込むから、受け入れるからです。

自分以上に、相手や状況を優先できる、ということを示していて、これが何を意味するかと言えば、それは、私の重要性を否定している、
ということなのです。

直前まで、あれほど四六時中、自分自分自分…だったものが、その自分を捨てることが出来る、ということほど偉大な決定はありません。

ですので、これもまた非常に進歩している在り方なことは、間違いありません。

・自分を許す

けれども、ここで言及している許しとは、ベクトルを反対側にする、ことなのです。

あなたが実践して、習得しなければいけないことは、相手や状況を許すことではありません。

自分を許すことなのです。

外側、つまり相手や状況を許すことと、自分を許すことの違いは、何でしょうか?

既に、外側を許すことは、非常に重要な在り方だと伝えました。

しかしながら、外側を許すとき、あなたは100%葛藤しているのです。
先ほど、申し上げた通り、何かとんでもなく大きなものを呑み込むのですから。

このように外側を許し続けることは、なかなか出来るものではありません。
無理して続けていっても、苛立ちや葛藤にさいなまれ、憎しみに変性してしまうかもしれません。

こういう例を、たくさん見てきたのです。

「いつまで、これをやり続ければいいのか?」

これは、本当に苦しみ以外の何物でもありません。

私が言えることは、これは無用な苦しみだ、ということです。
私たちは、見当違いなところを見ているのです。
見当違いな場所を、いつもいつも、四六時中見ているのです。

・外側を捨てること

大切なことは、外側を許すのでなく、自分を許すことなのです。

外側は捨てて、自分を許すこと。
これこそが、私が伝えたいことです。

許されるべきなのは、自分なのです。

奇妙なことに、あなたがあなたを許すことなのです。

これは、簡単に聞こえますか?
もし簡単に聞こえるようなら、あなたはそれをとっくに超えているか、あるいは、まったくわかってないかのどちらかです。

これは、決して簡単なことではありません。

なぜ簡単ではないかと言えば、許す、というときに、それが自分であるとは気づけないからです。

用意が出来てなければ、その気づきに触れられることはありません。

これが簡単であれば、ホワイトクラスからゴールドクラスに簡単に移行できるはずですし、そもそもこの世界は、こんな様相を呈していません。

私が観察した限りでは、誰もが、自分を許すことが出来ていないのです。
勘違いしてほしくないのは、

「うん、わかった。じゃー、俺は俺を許そう。おわり」

という安直なものではない、ということです。

・意識の高みに昇る

これは、自分自身の人生を本当に総括できるときに、起こることです。

本当に総括できるようになるには、それまでに完全に自分を生きた経験がないと不可能です。

あなたが自分を許せるとき、それは、自分の人生をくまなく総括できた時です。
それは、あなたが自分に対して既に、完全に距離を置けるほど、成熟していることを示します。

あなたが、やるべきことを全てやりつくして、他にもう何もない。
と言うとき、自分を許せるのです。

その時、あなたは、過去、自分が生きてきた人生を観ます。
良いことも、悪いことも、最悪な経験、すべてを観ます。

・全てを抱きしめることが出来たとき

そして、それらすべての経験がこの一点に導くように設計されていたことを知るとき、あなたはあなたの人生を丸ごと抱きしめるのです。

「これで良かったんだ。あんな最悪なことが起こったのも、すべてはこの時のために用意されていた出来事だったんだ。なんてことだ。人生がここまでとてつもないものだったとは、今まで全く知らなかった。私は、今までの人生、全部を許せる。良かったことも、悪かったことも。全て。」
このように言えるとき、人生を抱きしめることが出来るとき、それが本当の許し、なのです。

このときこそ、あなたは、もしかすると私と同じように、人生を終えるかもしれません。
あなたの中で、小さな爆発が起こるかもしれません。

これが、許しです。

この許しが起これば、外側については、前ほど気にならなくなります。

重要なことは、外側ではなく、私であったことに気付くからです。

いつもいつも、許されるべきは、他人ではなくて、自分だったのです。

・自分に拘っているなら世界を超える事はできない

この講義は、ゴールドクラス、さらにクリアクラスと続いてきます。
そして、このギブアップの会の目的は、世界を超えていくことです。
それを、悟りという人もいれば、解脱という人もいます。

名称は何でもいいのですが、世界を超えていくには、あなたが自分に拘っているのなら
あなたが自分の人生を抱きしめることが出来るほどになっていないのなら、
どうして、それが可能となるのでしょうか?

非常に簡単なのです。
難しくする必要も、難しい概念も素敵な言葉も必要ないのです。

あなたがあなたを許すことが出来れば、現れる人間などを許すことはどうでもよくなってきます。

以前まで、あんなにこだわっていこと、あんなに許せなかった出来事や人物について、気にかけなくなっていきます。

「そんなことがあったな」程度のものになるのです。

・ラマナ・マハルシやドン・ファンに起こったこと

あなたがあなたを許すことが出来れば、あなたは自分が本当に軽くなることを実感します。

あまりに軽いので、このまま浮いてどこかに消え去ってしまうのではないか?
と感じるぐらいに、あなたはある種の自由を感じるのです。

あるいは、虚無がやってきて、私やドン・ファンやラマナ・マハルシに起こったように、あなたの人生を持って行ってしまうかもしれません。

・重荷を見る

今まで重荷とも思っていなかった、それが重荷であることに気づきませんでした。

しかしながらいまでは、それがどんなに重たい荷物であったかがよくわかるのです。
そしてまったくそれと同時に、あなたが関わる人々がどれほどの重荷を背負って生きているのかを、直接に見ることでしょう。

彼らの重荷、信じられないほど巨大な重荷を引きづって歩いているのを直接見たとき、今まで感じたことのない何か大いなるものを感じるでしょう。

そうです。
これこそ、あなたがこれからずっと付き合っていかなくてはならないものなのです。
どんなに差し引いたとしても、これは本当に辛すぎる試練です。

しかしながら、あなたはすでに十分成熟していますので、これを乗り越えることがこれとともに歩んでいくことが可能になるのです。
世界を超えていく前に、あなたは世界が何なのかを直接見て、理解しなければなりません。

これについては、他と同様、どの概念も助けになりません。
どんな本を読んでもわかりません。
どんな宗教の本を見てもわかりません。
どんな科学の本を見てもわかりません。
どんなスピリチュアルな本を見てもわかりません。
天使に頼ることもできません。
グルやマスターに頼ることもできません。

あなた一人だけの仕事なのです。
誰も頼れません。

なぜなら、あなた以外に誰がいるというのでしょうか?
誰か何かに頼る、というのは、つまり「実は私は、まだ自分以外のものがいると思ってます」

ということを暗に示してしまっているのです。
そこには、距離があり、距離があるがゆえに、分離があるのです。

その距離は、あなたが一歩進めば、同じように一歩進みます。
その距離は、一向に縮むことはないのです。

それは、影だからです。

・許しとは、最高位の癒し

さて。
この許しという在り方は、あらゆるものの癒しなのです。
あなたがあなたを許すことは、最高位の癒しです。

そしてその癒しによって、あなたは自分を手放す準備が整い、輝き始めるのです。

これが、ゴールドクラスでの許しです。
これが、あなたに起こるでしょう。

・全ては、脚本による

忘れないでいただきたいのは、この許しをあなたがするわけではない、ということです。

くどいようですが、
「よし、おれはおれを許そう」

といっても、だめです。
瞑想をしても、マントラを唱えてもだめです。
キラキラしている本に書いてあるエクササイズをしてもだめです。

これを起こらせようと、あなたが何かをする全ての企ては、失敗します。
なぜなら、その時点で、あなたはあなたを許せていないからです。

ここまで書いておいてなんですが、全くそれと関わる必要はありません。
忘れたほうがいいくらいです。

全てはあなたの脚本に従って、起こるのですから。

ただ、この文にめぐり合っていることの価値を知ってほしいだけです。
もちろん、この文が他より優れている、ということの意味ではありません。

これもまた、あなたの脚本に書いてあったことで、あなたにはどうしようもないことでした。

あなたが見たくなくても、関わりたくなくても、読まざるを得なかったのです。

今、それがあなたに起こっていて、全て用意が整うことで、勝手に向こうからやってくるのです。

ですので、走っていかないでください。止まってください。

あっちからこさせてあげるだけの寛容さを忘れないでください。

・全ては、完璧

私が経験していえることは、準備も何もかも、全てが用意周到に進んでいくのです。
全てに時期があるのです。

あなたがどんな状況になっていても、それはその時点で、間違いなくベストなのです。
他の誰かが、あなたを馬鹿にしたり、心配したり、からかったとしても、それは、本当にベストな状況なのです。

その時、少なくともあなただけは、そのことを覚えておいてください。

このような期待とは無関係な在り方を誠実に真摯に実践していけば、やがて全ては向こうからやってくるのです。

今まで、下りのエスカレーターを必死に駆け上がっていました。
けれども、あなたが止まれば、エスカレーターが自動的にあなたのところに
必要な全てを運んでくることがわかります。

・秘められた扉

さて、今回は、許しについてでした。
私が経験する限りでいえば、
この許しが出来ていない限り、本当に先には進むことは出来ません。

あなたがあなたを許すとき、自動的に偉大なる扉が開きます。 いままで、その扉は開いたことがありませんでした。

あなたはそこに扉があるのも気づきませんでした。
けれど、あなたは今、扉の前に立ち、その扉が開くのを待っているのです。

その扉が開くと、私たちが目にする光、太陽がもたらしてくれる光とは全く違う光で輝き満たされていることを目撃します。

その別の類の輝きとは、一体なんでしょうか?
その輝きこそ、あなたなのです!!

ホワイトクラスの次がゴールドクラス、という理由は、この故です。

あなたが輝きだす段階です。
その為にはまず、許しがなされなければならないのです。

以上で、第2回を終わりにいたします。

(おわり)

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