☆リクルート活動
大学生になった後、学生の中では定番となっている就職活動において、私は本当に残念な人でした。仲間達は、いろいろな企業からどんどん内定をもらっていました。
私は天職を見つけようとしていて、必死でした。
それまでの3年間、必死になっていたにも関わらず、天職を見つけられなかったのです。
どんどん内定をもらっている仲間達を見て、私は感心したものです。
彼らはすごい。自分がやるべき仕事をはっきりと知っている。
それなのに、私は未だにわからない。
今まで一緒に過ごしていたのに、彼らはいつ自分がやるべき仕事に気付いたのだろう?
私はそういう風に、悶々としていたのです。
けれども、ずっと後になって、それはそうではないことがわかりました。
たいていの人は、自分の天職、自分がやるべき本当のことなんて気にしていないことがわかりました。
彼らが気にしていた事は、いかに自分が有利に生きていくかだけでした。
有利というのは、他人よりよい企業、よりよい条件で働く事です。
自分が何をすべきか?などということには、あまり関心がなく、ただリクルート活動というものがあって、それは期末テストと同じで、やるべきことになっている。
やるべきことになっているから、とにかく他人より有利に事を進めていかなければいけない。
というそれだけの理由だったのです!!
もちろん、そうじゃない、と主張する方もいるかもしれません。
けれども、大抵は、「こんなこと、やってみたいな」とか、「こういう企業に入ったら、楽しそうだな」
というレベルが、ほとんどだったのです。
恐らくそれは、自分自身をもっと素晴らしい何かに変えることができる、という動機ではないでしょうか?
くどいようですが、それはそれで結構なことです。
しかしながら、ホワイトクラスの段階に入ると起こることは、そのような浅い動機では動かなくなってしまう、ということなのです。
もっといい未来にする、いい将来にする、という自分の夢を描くことではなくて、その自分というそのものに、強烈なほど興味を持つのです。
ですから、天職を求めることも、自分を素晴らしくするものではなくて、真実を知ろうとする一助として、天職を探し出すのです。
自分が人生で本当にすべきことは、何なのか?
もしあなたにこの問いがやってきたのであれば、それは本当に素晴らしいことです。
それは、あなたが幻想から抜け出す用意が整ってきていることを示しているのです。
私が観察してきた中では、そのような方は、ほとんどいらっしゃいませんでした。
もちろん、そのような方にめぐり合えたことはありますが、それでも、本当に数えるくらいしかいらっしゃいませんでした。
千人に一人、いればいいくらいかもしれません。
問題なのは、そのような理解、進歩についていける人が、周りにはまるでいないだろう。ということです。
あなたが、その道すじで困っていても、誰もあなたを助けることができません。
あなたを導いたり、ガイドしてくれる存在は恐らくいないでしょう。
あなたはそこで、絶望的なまでの孤独を感じるかもしれません。
ギブアップの会は、そこの部分をサポートするためのものです。
そして、このWeb講義も、あなたの理解の一助として行っているのです。
私の場合は、当時、誰も私がいる現在地を教えてくれはしませんでした。
それでも、それは問題なかったのです。
なぜなら、私は、そのことに全く気付かなかったのですから。
つまり、誰もが天職を求めているという錯覚に陥っていて、自分だけがわかっていない、と思い込んでいたのですから。
ですので、孤独を感じるというよりむしろ、もっともっと努力して探し出さなければいけない、みんなに追いつかなければいけない、と必死だっただけなのです。
なんと愚かだったのでしょうか!
(つづく…)