今回は、タイトルについてになります。
以前、この記事を目にしたわけですが、とても面白く、まさしくこの世界ならではの内容だったため、ここでご紹介したいと思います。
簡単に言ってしまえば、村上春樹さんが芥川賞をとれなかったのは、委員たちが、彼を理解できなかったから、ということになります。
そのことを大江健三郎さんは、このように語っているわけです
「私は(中略)表層的なものの奥の村上さんの実力を見ぬく力を持った批評家ではありませんでした」
このように大江さんは語っているわけですが、たぶん、読んでも何がいいのか、さっぱりわからなかったのでしょう。
この記事をまとめていた人は、「そうなら、彼は無能もいいところだ」と書いていましたが、ありていに言えば、そういうことになりますw
こういうのはゴシップ的な話ですので、あまり教材に取り入れるのは微妙なのですが、やはりいろいろと面白く、皆さんのためにもなることが多いかと思いますので、続けて見ていこうと思います。
まず、ここで起こっていること、つまりなぜ大江さんは村上春樹さんを理解できなかったのでしょうか?ということになるわけですが、ここにある単純な事実は、意識レベルが違うから、ということになります。
私がわかる限り、村上さんは当然、いわゆる平均的な意識レベルより高いところにいる方です。いわば、意識の先導者的な役割があるわけです。
彼のとりわけ初期から中期ぐらい(うーん、アンダーグラウンドぐらいからもう媒体としては機能しなくなっていますが)の作品を見れば、それはもうあまりにも明らかです。
彼は彼なりに本当の本当についてフォーカスし続けていました。
ですから、彼はそのチャネルとなり、次々と作品を生み出していったわけです。
ですから、彼の作品にはそれを読めば意識レベルがきちんと上がっていくようデザインされ、よって、本当に成長したくない者たちは、それを読むと拒否反応が現れてしまうわけです。つまらないとか、退屈だとか、暗いとか。
そういうわけで、もれなく大江さんも、そういう類の意識レベルにいたがゆえに、何がいいのか、さっぱりわからなかったわけです。
これまでいろいろな方を観察してきましたが、意識レベルが高い人は、まずこういう本を好んで読んでいます。あなたは、どうでしょうか?
なぜなら、彼は先述したように、彼なりに本当の本当にフォーカスしているからです。指向方向がそちらを指しているのは、明らかです。
ですから、本当の本当を知りたいと少なからず願う人は、意識レベルの上昇プロセスの途中において、彼の作品に引き寄せられ、好んで読むわけです。
最初、私はこれを自分の都合のいい言い訳のように思っていたのですが、多くの人を観察し、話してみればみるほど、そうでした。
たとえば、私の母親は、無類の本好きでした。
でも、彼の本は、からっきしだめでした。
「何がいいのか、さっぱりわからない」と冷たく、突き放すような感じで本を遠ざけてしまいました。
もちろん、彼女は、本当の本当なんて、どうでもいいのです。
彼女が欲しいのは、安定したセレブな生活と周囲からの羨望のまなざしでした。
何もバカにしているわけではなく、心の底から、それしかありませんでしたw
こういう人は、まず彼の本を読みません。
読む事は出来ても、刺さることはないのです。
学生当時、なんでこんなに好きになる人とそうでない人がいるんだろう?と不思議で仕方なかったわけですが、目覚めた後、その理由を見る事が起き、すっかり納得がいきました。
ここで注意点ですが、私は、”プロセスの途中で” と書いています。
これは、あくまで、彼の作品は、通過点の一つに過ぎない、ということです。
彼の作品を好んで読む者全てが直ちに次の意識レベルにあがるわけではありません。
そこでとどまる者も多くいます。いえ、ほとんどそうかもしれません。
ですから、あなたがもし彼の作品を読んでいなくとも、気にする必要はあまりありません。なぜなら、今もし仮に手にとって読んだ後、何も刺さらなければ、まずは、もうその意識レベルを超えてしまっているからか、あるいは、実はまだ大江さんのように、本当の本当については知りたいと思っていないかの、どちらかです。
これは、自分自身の本音を訊きだす最良の方法の一つです。
あなたは、自分に嘘はつけないのですから。
後者の場合ですが、これはかなりややっこしいプロセスを歩むことになるはずです。かなりアンバランスな状態だからです。でも、結局は、あなたであるものが、しっかりと取り計らっていくので、まあ、大丈夫です。
さて。
もう一つ注目したいのは、つまり、意識レベルの低い者が委員会なるものに就いている、ということです。
まさしく、この世界ならではです。
これはなんというんでしょうか?
社会人として仕事をしたこともない幼稚園生が、いわゆる一流企業で働いている人を評価する、みたいなことになっている、というわけです。
おおざっぱな表現ですが。
でも、まさしくこのことが行われているわけです。
つまり、これは何も芥川賞のみならず、あちこちで行われいていることです。
なぜでしょうか?
なぜなら、この世界は、逆さまに出来ているからです。
意識レベルの低い者が高い者を支配するように出来ているからです。
ですから、この世界は、間違ったエゴは意識を本気で扱う事はしません。
なぜなら、それをやってしまえば、何が行われているか、バレしまうからです。
本当の価値を見出せない者が、評価している。
恐ろしく、ひどい世界です。
だったら、芥川賞なるものに何の意味があるのでしょうか?
何も…
いえ、強いて言うのなら、それが目的だ、ということです。
それが、この世界のルールだから。
実は、それはそれで結構なことです。
問題は、そういう世界が悪い、というわけではありません。
まず、私たちが観なければいけないことは、そういう世界に一体、何を期待しているのか?ということです。
上述した限りで言えば、世界それ自体があなたを救ってくれるわけではありません。それは、100%ありません。
だとしたら、あなたは世界に何を期待しているのでしょうか?
ということです。
この因果関係を全て明らかにすることが、あなたの仕事です。
そして次に、そういう世界が悪いわけではない理由は、そういう世界を作り出したのは、まぎれもなく、あなただから。
落とし前をつけなければならないのは、世界ではなく、実はあなたなのです。
これらを完全にマスターしていくのが、あなたの仕事です。
だからこそ、マスターはマスターと呼ばれるのです。
あなたも、いずれこのことが身にしみてわかる時がやってきます。
そのために、今、私はこうしてあなたに語りかけているのです。
では、今回は、この辺で。