悟りや解脱に熱心な方は、AKB48には興味がないと思いますが。
もし知らないのなら、彼女たちの曲を聴いてみてください。
…とは言いません。
そういうことではなくて、非常にわかりやす記事があったので、ここで触れてみたいと思いました。良い教材です。
ちょっと前、というか去年の今頃だったようなのですが、アイドルグループのAKB48が行っていた握手イベントで、彼女たちがある一人の男に突如襲われ、二人が重傷を負った、という事件がありました。
その事件から1年近く経って、その事件で重傷を負った一人である川栄李奈さんがその事件に関連した言及をしたのですが、その発言が素晴らしいものだったのです。
彼女が話したことは、いわゆるアイドルという枠を超えています。
詳しい内容については、各自、検索してみてください。
私が覚えている限りでは、彼女は、その事件にあったことをきっかけにして、AKB48を卒業する、という結論を出したそうです。
彼女は、「この事件にあって、私の中で何かが確実に変わった。人生なんて、いつどうなるかわからない。だから今できることを、本当に精一杯やらないといけない」
ということを仰っていました。
つまり、彼女は、そのことに本当に”気づいた”わけです。
誰もが、「人生なんていつどうなるかわからない」ということは知っています。
けど、気づいていないのです。
だから、彼女がそう発言しても、「いいこと言うなー」「そうだよなー」ぐらいの”反応”しかできません。
けれど、彼女は、実際に、そのことに気づいたのです。
ですので、「人生なんて、いつどうなるかわからない」ということを何となく概念で知っているのではなく、そのことの本当の意味を知っている、ということなのです。
ここが、全然違う所なのです。
だから、私は概念なんて、本当には全く意味がない。ということを言っているのです。
事実、彼女はそれに気づいて、グループから卒業する、という選択をしてしまったのです。
AKB48と言えば、今もまだ、トップアイドルです。
彼女がそこにまだいれば、自分のポジションがあり、テレビに出ることが出来て、”普通に考えれば”、未来はかなり約束されたものだったはずなのです。
しかし、彼女は、その地位を捨ててしまいました。
さて、これは何かに似ていないでしょうか?
気づきがやってきて、捨て去る旅が始まる。
そう、わかりますよね。
気づきとは、どんなに約束された場所、居心地がいい場所であっても、それを何の考慮もなく捨て去って、新たな領域に連れ去ってしまう力を持っているのです。
誰が、その日、その時、その人に、のこぎりを持った男が襲ってくると予想したでしょうか?普通に、握手していただけなのに。
そして、”それは”、突然やってきて、彼女に一撃を、本当の一撃を与えたのです。
その結果、彼女は、気づきを得たわけです。
アイドルという輝かしい場所から、もっと素晴らしい人生を経験するために、そのような状況を創り出したのです。
私達が問題だとするのは、それがいつも苦痛や悲劇、惨劇を伴う、ということです。
とんでもない災厄に見舞われなければ、私たちは気づけない、ということです。
つまり、私たちは、それほど眠りこけている、ということなのです。
彼女は、自分の人生を、本当の意味から理解しました。
彼女の一番深いところ、最も大事なところが揺り動かされたわけです。
そういうわけで、彼女もまた、知恵を持って人生を進めていくでしょう。
そうでなくなれば、別ですが。
さて、この話で私たちが理解しなければいけないことは、いかに私達が主権を持っていないのか?コントロールを持っていないのか?ということに気づかなければいけません。
だから、ギブアップなのです。
瞑想に明け暮れた挙句、彼女は気づいたのではありません。
座禅に明け暮れた挙句、彼女は気づいたのではありません。
マントラや経文を唱えまくった挙句、彼女は気づいたのではありません。
ごくごく普通の女の子、ごく普通のアイドルだった彼女が、握手をいつも通りしていたことを通して、気づきを得たのです。
わかりますね?
【レベル】:ホワイトクラス