・顔がない、ことではなくて

今回は、ダグラス・ハーディングについて、みていきましょう。

初回は、タイトル通り、彼が手に取った一枚の絵についてです。

彼についてのあらましなどは、ここで触れる必要もありません。
あまりよく知らない方は、既に有益な情報を載せているところは、たくさんあるので、そちらをご覧ください。

さて、私が取り上げたいことは、顔がないこと自体についてではなくて、彼がいかにして、顔がないことに気づいたのか? ということです。

そこが問題です。

・すべては、たまたま?

彼は、”偶然”出会った一枚の絵を通して、誰の概念も通さず、直接理解に触れたのです。
もちろん、偶然とかたまたま、とかいうことはありません。

ただ、私たちが知るべき一つの点は、なにも、彼はその絵を取る前に、何時何分に、私はこれこれのことを体験し、これこれのことに気づく、というように段取っていたわけではない、ということです。
ここで気づかなければいけない事は、”思いもかけない時”にそれが起こった、ということです。

私たちは、いわゆる大人になればなるほど、毎日をスケジュールでいっぱいにします。毎日毎日、計画立てて物事を進めていきます。
けれども、そういう風に毎日を効率的に計画立てて、自分の意図と意志を使っても、全然幸せになりません。なるどころか、なぜか毎日が不平不満でいっぱいなのではないでしょうか?

私たちは、こういう生き方に慣れきってしまっているがゆえに、自由への道を歩み始めるときも、自分なりのスケジュールをたてる、自分なりの方法を見つけ出す、といったレールを進んでしまいます。

しかし、最も決定的なのは、今回の例にあげたことです。
つまり、気づきは、私たちの手におえるものではない、ということです。
気づきは、意識を超えているため、私たちにはそれをコントロールなどできないのです。

だからこそ、全てを諦めなければいけない、と言われるのです。
コントロールを全て”手放せる”時、あなたが自分だと思っている自分が止まります。その時、叡智、直接理解がやって来るのです。

このダグラス・ハーディングの例は、その非常に良い例です。

いいでしょうか?
これが、全てです。

これが、全てなのです。

私が、皆さんにまず求めることは、このような直接理解を沢山通り抜けて欲しい、ということです。そのために、私はこうして、ここで伝えるべき事を伝えています。

・作り上げられた檻

私たちは、すっかり飼い馴らされています。

小さい頃から、勉強するように訓練させられてきたのです。

勉強すれば、点数が出て、結果を得られる。

このような最悪な訓練を、催眠をかけ続けられてきているので、
教科書、参考書にないことは、理解できなくなってしまっているのです。

直接理解に触れることは、偏差値によって、決まりません。
努力によっても、決まりません。
どれだけ仕事が出来ても、触れることとは関係ありません。
どれだけ知識があっても、邪魔にしかなりません。

ずいぶんとんでもないことを言っていると感じるかもしれませんが、もしそう感じるなら、あなたはそれだけ邪魔なもの、障害を持っているということです。

・典型的なパターン

私がお会いする方は、成熟されている方ばかりです。
やれることはすべてやっても、何も達成できている気がしない。
その結果、もう何にもなりたくもないし、世界に興味もない、
という方が、非常に多いです。

それはそれでいいのですが、非常に重要な問題は、それでもまだ、
みなさんが前兆となる直接理解にあまり触れていない、ということなのです。

触れていないからこそ、それを得ようと、また本を読んだり、イベントに参加したり、聖者に会いに行ったりします。

経験上、そのような行為をしている最中は、まず直接理解に触れることはありません。まずありません。
内なる炎が燃え上がることはあっても、直接理解に触れることは、まず不可能です。

その理由は、わかりますね?
なぜなら、既に期待しているからです。

もちろん、だからといってそれらが間違っているのでも、そのような行為をするな、
といっているのでもありません。
成熟していく段階では、そのようなものを通り抜けていく必要があるから、そうやっているだけです。

・ダグラス・ハーディングの体験自体が、良いガイドである

ダグラス・ハーディングの例は、いかに直接理解がやってくるか?
そして、それがどんな働きをするのかを、非常によく示しています。

彼は、一枚の絵を通して、直接理解を得て、吹き飛ばしたのです。
自分が信じ込んでいた事実を。

機会をつくって、ぜひ彼の物語を読んでください。
すでに読んだ方も、もう一度読んでみてください。

もっとも大切なことは、顔がないこと、ではなくて、彼がいかにそれに至ったか、ということです。
その経緯に、想いを馳せてください。


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