☆その三 総合的な準備
三点目は、その人に総合的な準備が出来ている、ということです。例えば、目覚める事が起こらない人、思い出すことが起こらない人を見ていると、それは何も偶然起こらないのではなく、失礼な言い方になってしまいますが、起こらなくて当然の状況が見えるのです。既に書いたように。
そういう人を見ていると、元気なだけではなく、手を付けていない沢山の仕事が残っているのが実際に見えます。それを当人には、告げることはしません。なぜなら、それは自分自身で気づかなければいけないからです。もちろん、ヒントは差し出しますし、それ相応の環境づくりはします。けれど、それで気づくか気づかないかは、やはりその人の脚本次第なのです。私にもどうすることも出来ません。
では、もう少しその総合的な準備ということが何なのか？を見ていきましょう。
私がこれまで経験して来たこと、あるいは他の人たちを観察してわかったことは、総合的な準備には、例えばどうしても人間の経験も充分積み重ねないといけない、ということがあります。
人間的な体験にどっぷりと浸かって初めて、その上である霊性にあがれるようになるようです。観て来た限りで言えば、人間的な経験をおざなりにしている人は、まずうまくいきません。
つまり、なんとなく人間的な経験を生きていたり、あるいは、人間的な経験が嫌いで嫌だから、それから逃げることをしている人は、まず実現することはないように見えます。あくまで私の経験からですが。
つまり、汚れきって、汚れきって、人間がどんなものなのか？ということを味わいつくして初めて、「もううんざりだ」と言えるわけです。
人間的な成功も失敗も経験し、人間がどんな時に傷つくのか？どんな時に喜びを持つのか？人間的な意味で生きる、ということは、どういうことなのか？といったような経験を洗いざらいしている必要が、どうもあるようです。
そういう経験を通り抜けている人を見ると、きちんとバランスがとれているのです。反対に、何も実現しない人を見ると、非常にアンバランスなのです。
私が観て来た中で、バランスがとれている人はみな飛躍的な理解や気づきに到っています。逆にアンバランスな人で飛躍的な理解や気づきに到った人は、いません。一人もいませんでした。
しかしながら、私たちはこの事自体に自ら気づくことは出来ません。
まず、出来ません。そのレベルでは、出来ないのです。
その理由は、既に記述してありますので、そちらをご覧ください。
☆背の高さと景色
ただ、どちらにせよ、そういう人でもきちんと螺旋を描くようにして、進歩上昇していくことは間違いありません。なぜって、そう決まっているから。
これは、私たちが持っていると思っている自由意志では覆すことはできないのです。
さて。
この第三点目も、二点目と絡んでいます。
なぜなら、あれやこれやと必死に試してみて、もう無理だ、という時には、人間の体験を大抵は散々積んでいるからです。
人間の生活にどっぷりと浸かり、人間のやり方を徹底して突き詰めてプロフェッショナルになっても、全く何も実現しない…。
もう諦めるしかない…。
こういう時、その人の総合的なレベルはこの世界の平均的なレベルをとっくに超えていて、だからこそ次の領域に入る資格を手にするのです。
これが、いわゆるホワイトクラス（こちらを参照）のような状態になっているわけです。
ですので、この総合的な準備が整っていないまま、霊的なことを探求しても、成果には繋がりません。
当初、私は霊的なことに関心を持っている時点で総合的な準備が整っていることを示しているのかと思っていましたが、そうではありませんでした。
これは、私が度肝を抜かれたことの一つです。
この点については、別のテキストで詳しく触れられれば、と思います。
では、総合的な準備を整えるために、私たちに一体何が出来るのか？と言われれば、それに対する具体的な対策はありません。
なぜなら、総合、ですから。
私たちがやろうとする具体的な対策は、総合ではなく、局所的なものに必ずなるからです。必ず、部分的な対策になります。
ですから、その総合については、スピリットに任せるほかありません。
スピリットが人生に与える状況を一つ一つ、乗り越えていくしか術はないのですね。
ここで間違ったエゴは、うんざりします。
ですが、スピリット、あなたである存在は、間違ったエゴのうんざり感については、まるで頓着せず、あなたに指針を与え続けていくことになります。
そして、いつしか気がつけば、総合的な準備が整っていることになるのです。
このサイトに訪れたのも、あなたに総合的な準備をさせるための手段の一つですし、あるいは総合的な準備が整っていることを示していることを意味しているのです。
（つづく…）
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