さて。
では、最後の第四点は、何でしょうか？
それは、目覚め、悟り、覚醒、解脱…、名称はなんでもいいですが、このようなものを自分の卑しい目的のために使っていない、ということが挙げられます。
☆その四 卑しい目的のための手段になっている
これを見た瞬間、間違ったエゴは悲鳴をあげます。これまで私が観て来た限りで言えば、実現しない人は、隠れた卑しい野心を持っていました。
悟りや解脱、覚醒を求めているのは、単に自分だと思っている自分の人生を良くしたい、というだけのためでした。
それはつまり、それらが目的ではなく、彼らにとっては、単なる手段、道具でしかないのです。
最初、私は、このことに全く気づきませんでした。
このことを見た時、私は一体、何の冗談なのか？
と超絶にびっくりしました。
そんな人がいるなんて、思いつきもしなかったのですね。
でも、マジでした。
びっくりするぐらい、そういう人が多いのを見て、突き落とされたような気分になったのを覚えています。つまり、それは私にとって、まだ数多くの仕事が残されていることを示していたからです。
たとえば、単に出会いを求めてスピリチュアルな集いにやって来る人がいたりします。
それがいいとかいけないとかではなく、私には驚愕な事実でした。
「うそだろ…」
と何度も何度もそういう人と話して、事実確認をしなければいけませんでした。
とはいえ、何も詰問したわけではなく、観察することが私の仕事でした。
そして、このようなことは腐るほどある事例だという結論に達することになりました。
覚醒すれば付き合える、覚醒すれば素敵な異性と出会える、覚醒すればダイエットにつながる、覚醒すればお金持ちになれる、覚醒すれば何でも引き寄せることができる、覚醒して有名になりたい…、
こういうものは、限りなく続いていくことができます。
そして、こういう隠れた卑しい野心を持っている人は、本当の飛躍的な理解に辿り着きません。こうして見れば、当たり前すぎることですが、本人はそれに成りきっているので、自分のおかしさにまるで気づく事が出来ません。
今、こうして読んでいる時ですら、それが自分のことだとは気づけないのです。
それが、私たちが陥っている催眠です。
そして、それがそうであるサインは、こうして読んでいて、何か無性に気分が悪くなったり、反抗したくなったり、突如、このページから去りたくなったり、言いようのない痛みを感じることでわかることができます。
ただ、こう指摘されて落ち込む必要はありません。
なぜなら、間違いが間違いであると気づけばいいだけの話しだからです。
もしそのような隠れた卑しい野心を持っていたのなら、方向を変えればいいだけの話だからです。それは、とても簡単なことです。
けれども、間違ったエゴがやってしまうのは、恨みや妬み、嫉み、憎しみに顔を向けてしまう、ということなのです。
なぜって、自分だと思っている自分に眠っているから。
ということになるのです。
さて。
この第四点も、それまでのポイントと当然関係があります。
まず、心を開くこと、素直になることと、隠れた卑しい目的を持つ心はイコールにはなりません。また、隠れた卑しい目的を持つ心は、決してギブアップなどしません。さらに、隠れた卑しい目的を持つ心を持っていて、どうして総合的な準備が整うでしょう。ただ、この隠れた卑しい目的を持つ心は、非常に巧妙な為、紛れ込む事が出来ます。いわば、時限爆弾のような役割すら持つことも可能だ、ということもまた事実です。
このように、ここまでシェアシリーズで取り上げた方々がなぜ飛躍的な理解に到ったり、体験が起こったのか？彼らに共通していることは、一体何なのか？ということを見てきました。
ただ、ここで取り上げたようなことは、
☆何も実現しない原因
☆障害物の正体
☆背の高さと景色
☆純粋さから始めなさい
などのテキストで既に言及しています。
…いますが、こういったことはこれからも何度も何度も繰り返していきます。
なぜなら、こうして一度だけではなく、何度も何度も繰り返すことで、その重要性が本当に認識されていき、催眠を解くことに繋がっていくからです。
間違ったエゴ、地獄は、何度も何度もの繰り返しです。
ですので、それをここでは逆手にとってやっていきます。
何度も言いますが、間違ったエゴにはたまったものではありませんｗ
間違ったエゴにとって、まさか自分がやり出した企てがこのように使われるとは思ってもみなかったでしょう。
さて。
このように詳細に渡ってみてきましたが、こうしてみると、何がポイントなのかが、おぼろげながら見えてきたのではないでしょうか。
私は、このように具体例を沢山紹介しています。
それはなぜかといえば、私自身が歩んでいる時、こういう事例が欲しかったからです。
しかしながら、当時、私が求めていた活きた、生きた事例というものに、めぐり合うことはありませんでした。
大抵は、概要だけでした。
大抵は、概念だけでした。
「やってみ…」的なものばかりで、結果どうなるのか？どうなったのか？
というような具体例は、全くありませんでした。
ですので、そういう事例を共有したかったのですが、私の周りは、そういうことに関心はないようでした。あるいは、そういうことを共有しようとしても、結局、間違ったエゴに食い尽くされていくことばかりで、分離、バラバラ感が強化される結果しかもたらしませんでした。
このようなわけで、この尋常ならざる道を歩んでいる方々の道標になったり、励みになる事例を数多く共有することで、皆さんのお役に立てれば、という想いでテキストにしています。
当時の私なら、すごく助かる想いがするであろうことを、だからこそやっている次第です。
そう。
自分がしてほしいことを行う。
自分のしてほしいように接する。
自分がしてほしいのに誰もしてくれなかったから、一人としていなかったからこそ、
自分のために他人に施す。
ただ、それだけのためです。
問題は、あなたがこのことに気づけるかどうかです。
私は、常日頃、こういうトレーニングに意識的に取り組み続けてきた、ということです。誰も評価してくれません。誰からも褒美はもらえず、むしろ苦笑いされ、遠ざけられ、冷たくあしらわれるだけだとしても、私はずっとずっと表面的には一人ぼっちで続けてきました。
だって、それしかないんだから。
ですから、あなたなのです。
あなたは、私が同じように、こういう誰からも見向きもされないトレーニングをし続けて行く覚悟があるのでしょうか？
ということなのです。
ここで、間違ったエゴは、恥ずかしそうに踵を返して元いた世界に帰っていくか？
それとも、覚悟を決めて前進を続けるか？
決めなければなりません。
私は、やさしい教師のように見えて、かなり容赦がありません。
なぜって、実在は、ある意味全く非情だからです。
人間の、間違ったエゴの大好きな”情け”、というものを理解しないのです。
さて。
シェアシリーズですが、まだご紹介していない良い具体例がいくつかありますので、今後もそれをあげていこうと思います。
（おわり）
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