ここまで、いかに仕事を失うのか?
その主たる原因を中心にみてきました。
ここで、発見者はその途中に、矛盾するメッセージに出逢うことが往々にしてあります。
「働くことに問題はない。働きなさい。真我を実現した後でも、商売は可能なのだから」
覚えている限り、このことをいうマスターは、非常に多いです。
ニサルガダッタ・マハラジ、ラマナ・マハルシ、ラメッシ・バルセカールもこういう発言をしていたように思います。また、ラムサも、トバイアスも同様のことを言っています。
これだけの方が同じことを言っているのです。
しかしながら、ここで発見者は、間違いなく戸惑うわけです。
すでに、橋が壊され、働けなくなっているというのに、真我を実現してもそれは全く問題にならず、逆に、商売に精を出せる、などというのですから、筋が通らない話なのです。
発見者のうちでは、働くにしてももっと素晴らしい仕事、世界の本当に役に立つような仕事をしていける、という風に想定している方も多くいると思います。
しかしながら、マスターたちは、そういうことではなく、商売もできる。
と言っているのですね。働くことは、問題ではない。働きなさい、と。
これには、発見者は、間違いなく当惑するのです。いえ、しなければなりません。そうでないと、それは単にアドヴァイタやマハルシという新しい催眠にかかっているだけだからなのです。
これは一体、どういうことなのでしょうか?
問題なのは、ビジネスが出来る、といっているのに、誰ひとり、そんなものに精を出している人がいない、ということです。ニサルガダッタは、確か10代の時に、事務所で仕事をし始めたが、嫌気がさして辞めたそうです。伝え聞きなので、本当かどうかはわかりません。
けれども、彼もまた、私達が嫌になる、ばかばかしいその本質を見て、背を向けたのです。それ以降、個人経営のタバコ屋で商売をしていたようですが、大きな会社やビジネスはしていませんでした。
ラマナ・マハルシは、もっとひどいもので、全くもって、会社やそういう組織の中で働いていなかったようです。
ラメッシも銀行の頭取をしていたようですが、そこを退職後に商売をしていたのでしょうか?体が死ぬまで、商売をしていたのでしょうか?
誰ひとり、全く実践していないものを「出来る」と言われても、全く説得力がありません。彼らが、70になっても80になっても、スーツを着て、ネクタイを結び、朝礼などであいさつをして仕事をしていたのであれば、「なるほど」とわかるのですが、誰ひとり、そうではありません。
問題なのは、真我を実現しても仕事は出来る、ということと、仕事が出来なくなっている者の間の橋がかけられていないからではないでしょうか?
その答えは、「気にする人」がいなくなってしまえば、仕事をしようがしまいが、それは全く問題はなくなる。ということなのです。
職場で働くことが脚本に書いてあれば、その後、働くことが起こるだけです。その時、当人は消え去ってしまっているので、働いていることを知りません。これが、彼らが言いたかったことです。全く問題になりません。
だからまず、というより何よりも、気にしている人が消えなければいけない、そこが最優先事項になってくるのです。
なので、どんな仕事をしようが何も問題はない、ということになります。
なぜなら、もうそんなことを気にする人が消え去ってしまっているからです。
ですので、そのことが ”本当に体得できていない、準備が出来ていない人” に働くことは問題がない、働きなさいと言ったって、それは傷口に塩を塗るようなものなのですね。
狭間にいる間、大抵満足に働くことは出来ないでしょう。
では、その狭間にいる人は、どうすればいいのでしょうか?
実は、そこが一番の問題なのですが、誰も答えは出せません。
それについては、後ほど触れてみたいと思います。
(つづく…)
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