ですので、会社の中自体に、何も期待しないほういいのです。

十中八九、その会社でずっと長く働けるわけではないのですから。
自分自身の今後の保証や生存や安心を会社に求めてはいけません。

何も求めないこと。
来るものだけを受け止めていきながら、会社の仕事をし続けること。

これは、口で言うほど簡単なことではありません。

逆に言えば、会社ほど素晴らしいトレーニング機関はない、ということでもあります。

会社は、あなただと思っているあなたのすべてを見せてくれる可能性があります。

瞑想や諸々の修業をするより、寺にこもったりなんだりするよりも、はるかに素晴らしいものをもたらしてくれる可能性があります。

あなたが、諦めているなら。

逆に、あなたが諦めていなく、常に会社を通して自分に何かを求めるのなら、意見を持ったりするのなら、地獄のような日々が待っていることでしょう。

それはそれで良い教師なのですが。

自分が過去に積み上げてきたキャリア、ナレッジなど、全てを捨てて、いやもう少し親切に言えば、全てを忘れて、組織の中で働いてみてください。

そうすれば、思ってもみないことが起こるでしょう。
期待しないがゆえに、あなたは驚くべき状態になるのです。

以上の二つが、私が勧められる対処法になります。

ただ、忘れてならないのは、私が知る限り、誰もがビジネスをしていないのです。

ラマナ・マハルシもニサルガダッタ・マハラジも、ビジネスに熱心ではないようでした。インドの大都市でネクタイをしめて仕事をしていませんでした。

イエシュアも違いました。彼も、大工の仕事を継ぎませんでした。

ブッダも違いました。彼も、王の地位を捨ててしまいました。王の仕事は、沢山あったはずなのに。

クツミも違いました。彼も、ビジネスに熱心ではありませんでした。非常に成績優秀な生徒だったようですが、そのような知的能力をビジネスには発揮しませんでした。

カスタネダも違いました。彼も師であるドン・ファンに事業を1時間でたたむように諭されました。

ラムサも違いました。彼は、ビジネスマンではなく、征服者だったようですが、彼が目覚めたとき、すでに征服者としての仕事には何の興味もなかったのです。

聖・ジャーメインも違いました。彼にビジネスの必要はありませんでした。

このように、誰もが組織の中で働き、組織に頭を下げて給料をもらいながら、ついに成し遂げたわけではないことは明らかですし、実現した後、そのような組織で働き続けた存在を、私は知りません。

真我を実現すれば、ビジネスをしても何も問題はない。

すでに説明しましたが、それはそうです。

けれども、私が言えるのは、そのようになればもう決してそのようなことはしない。
ということです。

脚本にそれが書かれていることは、まずないでしょう。

ですので、概念として、理屈としてはそうかもしれませんが、
経験して分かった事は、違いました。

そういうわけで、そのような話は、少なくとも私にとって障害になったことはあれど、助けになったことはありませんでした。

同じように、ニサルガダッタは、確かこう言っていました。

「仕事をして生きる事は、本当に難しい」と。

皆さんも、彼が何を言わんとしているのか?
よくわかると思います。

それは、新橋で飲んだくれて、不満や愚痴をばら撒いている存在たちが、

「仕事をして、家族を養っていくのは、大変なんだよ」

と言っているのとは、全然違います。

わかりますよね?

それは、本当は不必要なことだから。

不必要な事を催眠によって行われている事を、私たちは気づきながら、不必要だと知りながら、そこに参加しなければいけないからです。

ですので、残念ながら、私たちの道は、いばらの道です。

それでも、あなたは進む事をやめないでしょう。

私は、その事に対して、本当に胸を打たれます。

グループミーティングなどでお会いする方々に対して、私はいつも、
胸がいっぱいになります。

その道がわかるから。

さて。
こういうわけで、皆さんは、これからも仕事という点においては、在り方を変えなければ、いつもいつも地獄の苦しみを味わって生きつづけなければいけないことがわかったと思いますし、すでにそれを知っていると思います。

その在り方を変える、そのいくつかをここでは紹介してみました。

何かの歌ではありませんが、道が暗く、闇が覆いかぶさり、これ以上進めなくなりそうなときは、ぜひあなたに思い出してほしいと思います。

どんなマスターも、たやすくこれを出来なかった、ということを。

どんなマスターも、あなたと同じ苦しみを経験し、通り抜けてきたのですから。

ですので、あなたにもそれが出来るのです。

それを忘れてはいけません。

【レベル】:ゴールドクラス~ユニティクラス