☆損をしたくない
常に疑う人は、保証を求めるばかりでなく、なるべく自分が極力損をしないように行動します。なぜなら、相手のことを信頼など出来ないから。
自分自身が何者なのかもわからないのに、相手が何者なのかを知る事など、出来ません。
相手が信じられないのであれば、それは敵である、ということと同じです。
愛か不安かしかないため、味方か敵か、しかありえません。
実は、味方はほとんどいません。
いるように見せかけているだけで、実は誰も信じていません。
なぜなら、その相手にいつなにが起こって気が変わるか、まったくコントロールできないからです。そうならないよう最大限努力して、人間関係を維持しようとしますが、そのもくろみはあっけないほど崩壊していくのが、”常” です。
よって、相手を信じられないのであれば、自分が傷つかないよう、損をしないように生きていこうとするのは、いわば当然の成り行きです。
ですので、それが目覚めだろうが、覚醒だろうがなんだろうが、自分が損しないように取り引きをしようとします。
私は、これまでそのような人にたくさんあってきました。
最初、何かの冗談なのではないか?と思っていたのですが、本気でそのように生きているのです。
けれども、先述したように、神は取り引きしません。
あなたは、空気から請求書をもらったことがありますか?
空気が損をしたといって嘆いている姿を見た事がありますか?
なるべく損をせず、得をしようとし、何でも交渉で済まそうとしたり、コストパフォーマンスばかり重視する人で、とてつもない飛躍をした人に、私はいままで出会った事がありません。一人もいませんでした。
こういう人は、完全に忘れているのです。
なぜなら、自分が完全に恐れきっているからであり、そのこと自体、気づけないからなのです。そして、当然、愛とは何なのか?それを知りません。
本当の愛に触れた事がないからです。
常に自分が損をしないように画策しながら生きている人は、素直でしょうか?
ええ、確かに、自分の欲望に対して、恐れていることに対しては素直です。
しかし、実在を前にした時、そこで求められることは、全てを諦める、ということです。その時、常に損をしないように生きていた人が、一体何を諦める事ができるというのでしょう?
そこで、こそこそと動き回り、デメリットのない道筋を探ろうとするこの態度は、全く素直さとはかけ離れていることは明白です。
また、それが純粋であるか?それは、もうここで答える必要もなく明らかです。
このように、実現しない人の特徴の一つは、とにかく利大損小で動き続け、最終的に何一つ手に出来ない、という結果を招く事になります。その虚しさが、その怒りが、その憎しみが、次回の夢を招く事になります。
こういう風に見れば、よくわかるのではないでしょうか?
あなたは、それが見えてきましたか?
あるいは、なんだかとてつもなくムカムカしますか?
反論したい気分になりますか?
吐き気がしますか?
そうであるなら、あなたはすっかり間違ったエゴとして、自分だと思っている自分に眠っているのです。そして、あいつがあなたが持っているそのブザーを押せと叫んでいるのです。
(つづく…)