では、やられたら、傷ついたら、実際にどうすればいいのでしょうか?

再び、音大の彼の例を見てみましょう。

彼は、私達の誘いをはっきりと断りました。
その誘いは、非常に中毒性のある誘いです。

彼は、その麻薬のような誘いを断りました。

☆耐える

もしわざとぶつけられたら、誰でも腹が立つでしょう。
けれども、大事な事は、その後耐える事です。

最初は、耐える事を学ばなければいけません。
観察した事と自分の経験をフル動員して、ブレーキをかけるのです。
仕返しをしても、結局自分が傷つくだけだからです。

それは、噴火するマグマに蓋をするようなもので、最初は非常に苦しむ事になるかもしれません。

ここで救い手となるのが、実際に出逢ったお手本なのです。
お手本を見た記憶が、鎮静剤となるのです。

☆試練

もしあなたがその在り方をとりはじめたら、試練がやってきます。

何度も何度も、事あるごとに大小の災難に出会うのです。
何度も何度も傷つけられます。

そのたび、あなたは言い返して、やり返して、言いくるめたくなるでしょう。
「俺は、間違っていない!お前が、アホなんだ!!」
こういう叫び声をあげたくなる状況が、数え切れないくらいやってきます。

あなたは、その度に耐えなければいけません。

☆見破る

やがて、その在り方が身につくと、”わかる””見抜ける”ようになるのです。
ノックを確実に捉えることが出来るようになります。

それが単なるノックだと。エゴがエゴのドラマを続けられるように仕向ける作戦だと瞬時に見抜くことができるようになっていきます。

ただ、そのやり口があまりに汚く、グロテスクなので吐き気を催すかもしれません。
まさしく、なぜ世界はこんな風にしかなれないのか?と相手ではなく、現象全体への絶望感を抱くようになります。

この段階は、もう相手に仕返しをするレベルにはなく、現象全体への気付きに到っているので、また違う落とし穴に落っこちる可能性があります。
これについては、クリアクラスで詳述することにしましょう。

ただ訪問客は、非常に巧妙、老獪、非情だということは言っておきます。
あなたがわかればわかるほど、彼らのレベルも同時に上がっていきます。
恐ろしい事に、彼らは当人の弱点を完全に掴んでいるので、そこをついてくるのです。

それでも、あなたに出来る事は、目をそむける事、耐える事しかありません。
他に出来ることはないのです。

聖書の中で、「悪に逆らうことなかれ」という一節があるそうなのですが、これは、まさしくこのことを意味しているのです。

これは、クリアクラスに到っても、ずっと続いていきます。
ですので、再度、この項目を取り上げたいと思います。

さて、ホワイトクラスの第4回は、やられてもやり返さないということについて
見てみました。
その具体的な例、それがもたらすもの、対処について、それが進歩の重要な分岐点になることについてなどをご説明しました。

以上で終わります。