このような怒りと疑惑と絶望感に支配されながらも、しかし奇妙なことに、探し求めることは決して止まることはありませんでした。

確かに、表層ではそれらの感情が渦巻いているのですが、私はある一点に向かってひたすら邁進し続けていたのです。それは、もう止められるとかそういう類のものではありませんでした。もがいてはいるのですが、そのもがきとは、このある一点に向かってひたすら直進つづけるある力に対する抵抗でした。

そのもがきとは、まさしく間違ったエゴの集中攻撃なのですが、この一点とはまさしく実在するもので、実在しないものが実在するものに対してどんな抵抗や攻撃をしようと何の影響もないのでした。
私は、それを後からやっと理解しました。
やっと理解したのです。

そして今なら、私はバーナデッド・ロバーツが本当に言わんとしていることがわかります。

以前、私は老齢の人について触れた事があったと思います。

彼らの在り方、彼らが大体どこのレベルにいるのか?
そういったことについて触れました。

彼らの話を観察していると、そう、ほとんどスクルージと変わりないのでした。しかしながら、さらに彼らを観察していると、中には違う状態になっている者もあり、彼らに共通しているある興味深いことに気づきました。

彼らは、大抵体がもう不自由です。
走り回ったり、機敏に動くということとは縁遠い状態です。

何の行為をするにしても、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりです。
椅子に座る、椅子から立ち上がる。それだけのことですら、彼らにとっては、非常に難しいもののように見えます。

彼らの頭は大抵真っ白です。そして、髪の毛も細くなり、薄くなり、頭上には活気を感じません。
顔は、乾燥し、皺だらけです。
腰は、大抵大きく湾曲し、杖を支えに歩くか、あるいはカートのようなものにつかまって歩くか、あるいはもう車椅子で移動するか、というような状態です。

しかしながら、彼らをもっと観察していると、あることに気づかされるのです。このような状態になった時、人はもう自分の見栄えを気にかけなくなるのでしょう。女性ならまだ人目を気にし、お化粧などをするのかもしれませんが、残念ながら、もうごまかしきれなくなっています。

こういうわけで、体がこのような状態になってしまったのなら、どんなにあがこうが無駄な努力だ、と受け入れるのだと思います。
自分の見栄えについて、あるところまで行くと完全に諦めてしまわなければなりません。

(つづく…)

【レベル】:クリアクラス~ユニティクラス