さて。

クリスマスの時期ですから、再度、ここでスクルージについて、触れていきましょう。

スクルージは、チャールズ・ディケンズによる『クリスマス・キャロル』という小説に出てくる主人公の名前です。

詳しくは、この小説を読むのもいいですし、映画にもなっていますので、ご覧いただければ、と思います。

今回もまた、前回と同じような内容ですが、私たちには非常に重要なテーマですので、ここで再度、確認したいと思います。

(言及しているテキストはこちら)
☆スクルージ

さて。
今回、フォーカスするのは、スクルージです。

このけちで意地悪な老いぼれじいさんについてみていこうと思います。

この主人公の年齢は知りませんが、映画の中で登場する彼は、もう救いようがないほどの存在として描かれています。

冷酷でけち、陰気で意地悪という、もう本当にどうしようもない存在です。

そんな彼のところに、クリスマスの晩、精霊がやってきたのです。

しかし、なぜ精霊は彼のところにやってきたのでしょうか?

彼の周囲の人間たちは、誰も彼と深く関わろうとはしませんでした。
なぜなら、そうしようとしても、彼から冷たい仕打ちしかうけないことを知っているからです。

そういう痛みを感じるから、彼と会って話そうとしても、知らぬ間に緊張してしまうのです。そして、当然、彼はそれを感じ取り、自分自身をそこに見るので、そのような自分の姿を認めず、結果、訪問した誰に対しても非情で冷酷な対応しかできなくなり、その相手もさらに嫌な想いをすることになる、という無限ループ状態の人生になっていました。

その結果、彼は、誰も信じることはなくなり、お金しか信じることをしませんでした。なぜなら、お金は態度を投影しないからです。

そのように人生を進めていけば、どうなるか?
この物語は、それを端的に語っています。

(つづく…)