何度も繰り返しますが、この作品は非常に重要です。
私達の旅を、幾たびも助けてくれる類の作品です。
少なくとも、私にとってはそうでした。
さて、フロドと同様にビルボ・バギンズも魔法使いのガンダルフのセレクションに見事に合格してしまい、ドワーフの故郷・エレボールを奪還する旅に強制的に参加させられてしまいます。
フロドと同様、ビルボも心地の良い日常を過ごしていたわけです。
パイプ煙草を吸い、今日これから何を食べるか?どう踊るか?誰としゃべるか?
そのようなことにしか、関心がないようでした。
まさか彼は、明日には居心地のいい家を抜け出して、着替えもなく、ハンカチすらないまま荒地への、死地への旅に出なければいけないなんて、その日、思いもしなかったでしょう。
ここに来る人のほとんどは、そういう経験をしてきます。
そうではありませんか?
今日はすばらしい一日だったかもしれない。
しかし、その翌日、自分自身の現実を見事に壊すような出来事、自分の信念が引っくり返るような契機になる出来事を経験することになるのです。その日から、皆さんは、自分自身の居心地のいい日常とさようならをすることになってしまうのです。
あっけないほど簡単に。
皆さんのほとんどが、このことに深い共感を感じるのではないでしょうか?
さて。
ガンダルフに旅への参加を要請されても、ビルボは頑なでした。
彼は、居心地のいい家、環境を出たいとは決して思わなかったのです。
このように執着しているビルボをみて、ガンダルフは、彼にこう諭したわけです。
「いつから敷物や母の皿が、お前の宝物になってしまったのだ!?大切なものは、窓の外にある。この境界線を越えたところに、本当の宝物があることを忘れたのか!?」
宝物は、物なのではない。
自分の所有物にしがみついてはいけないのです。
このことは、”自分の物”がいかに問題を引き起こすのか?
そのことも明確に教えてくれています。
何度でもいいますが、外側を見てください。
町を流れている人々を見てください。
彼らの宝物が、一体何なのかを見てみてください。
あるいは、あなたの宝物は何なのでしょうか?
いつから、自分のプラモデルや、車や、CDや洋服や家や過去が宝物になってしまったのでしょうか?
本当に、それが大問題なのです。
いいでしょうか。
ビルボは、結局、それらを”捨てて”旅に出ることになりました。
それらは、至高の道、本当の宝がある場所には一緒に持っていけないのです。
真我を実現する道は、困難極まりないものです。
それが困難な理由は、このような理由があるからなのです。
あなたは、あなたの居心地の良さを捨て去らなければいけないのです。
非常に非常に非常に残念ながら。
そう見たとき、あなたの旅がいかに崇高なのか。
どれほど価値があるのか。それは、途方もないものです。
途方もありません。
それがわかると思います。
私には、それがわかります。
恐らく、皆さんの周囲の人間ー家族、恋人、友人などーは、決してそれが見えません。
居心地の良さからでは、それは見えないのです。
そして、この話は、ガンダルフを通してわかることは、あなたは今、どの地点にいるのか?
それが明確にわかる、ということです。
仲間と共に旅に出て、既にあらゆる怪物たちと闘っているのか?
それともまだ、本当は境界線を越えた彼方に探し求めているものがあることを知りながら
、家の中から窓の外を眺め、手には母の皿を握って離さないでいるのか。
あなたは、いまどこにいるのでしょうか?
そしてもっと重要なことは、これからどう在りたいのでしょうか?
つまり、そういうことです。
【レベル】:ホワイトクラス~ユニティクラス
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