私がこれまで出会ってきた人々が、ぼんやりと信じていることの一つは、自分自身が体だと思っていることです。

これまで数え切れないぐらいの人を見て話してきてましたが、どうやら人は自分が体だと思いこんでいるようです。

あるいは、体ではなくても自分が心だと思いこんでいるようです。

これがいいとか悪いとかいうことが問題でなく、ただそれは事実と違うだけなのですが、この信念はあらゆる苦しみを生み出す土壌になります。

観察してきた限りで言えば、どうも人は自分が体だと思いこんでいるので、体の成長が終わると同時に、自分自身の成長も終了すると思いこんでいるようです。

もちろん本人たちには、意識的な理解はありません。
ですので、「ああ、体の成長が止まった。だから、私も成長が終わった」というような理解、気づきはありません。

ただ、ぼんやりとそう受け止めて生きているようです。

これは、ごく当たり前な結論ですね。
なぜって、自分が体だと思い込んでいれば、当然在り方の帰結はそのようになるからです。

そして、体の成長が止まり、つまり頂点まで達したあとに何が起こるかと言えば、体の崩壊が始まっていくのではないでしょうか。

ですので、個人は焦ります。
個人は、必死になります。
体は、守られなければいけないからです。

死なないように、自分が体ですから、体を守るために必死になるのです。

体を守るために、必死で働くのです。
生きる事は、体を守る事に刷り変えられてしまうのです。

そういう視点で世界を見れば、全てがそのように出来ていることがわかります。

こういう理由から、私であるものを見出す人はいないのです。

なぜって、自分が体であると完全に思いこんでいるので、そこに、
「私とは、一体何者か?」という質問は、意味をなさないからです。

彼らは、彼らなりの答えを持っているわけですから、それが間違っていようと
なんだろうと、彼らは ”受け入れる” ことが出来ないのです。

ひとたびそれを受け入れてしまえば、これまで生きてきた自分の人生をある意味、否定する事になりますし、そしてもっと大問題なのは、これからどう生きていけばいいのかわからなくなり、圧倒的な恐怖に怖気づいてしまうのです。

これが、間違ったエゴです。

だから私の話は、ほとんど全ての人に受け入れられません。

自分が体や心だと思っている人に、このメッセージは一番大切なところに届かないのです。基本。

私たちが理解しなければいけないのは、世界のほとんど全ては、自分が体だと思い込んで生きている、ということです。

だから、世界は全く成長しません。
ですので、世界は本当の意味で進歩しないのです。

同じ間違いばかりを繰り返し、栄えては滅びを繰り返すしかできない理由はここにあるわけです。つまり、まさしく地獄は繰り返すことをやっているわけで、そのことすら気づけない状態なのです。なぜなら、自分たちが体であると思いこんでいるから。

「あなたは、体ではない」

あらゆるマスターは、同じ事を指摘し続けているのです。
あらゆる時と場所に出現するマスターがこうも同じことを繰り返すのは、きちんとした理由があるのです。

何も偶然に、あらゆる時と場所に出現するマスターが同じことを言っているわけではないのです。誰もこれを不思議に思わないようですが。

「私は、体なんかじゃない。そんなの、絶対に違う。そればかりは、認められない」

という感覚や拒否感を、あなたはこれまでどれくらい感じて生きてきたでしょうか?

はっきり言えば、その強さの程度があなたが導かれる場所を決定するとも言えます。

なぜなら、それは押し付けられている信念、こう考えろ、という強制に対するあなたの強烈な内なる炎の現れだからです。

なぜ自分自身の人生がとんでもなく苦しいものになっているのか?
今回は、その理由の一つに触れてみました。

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