☆B段階の限界地点

前回は、B段階の在り方がテーマでした。

B段階の人間は、私もまた、神であることに気付きます。
そして、自分の人生に神性を統合しようとしていきます。

ただ、道が余りにも険しい為、ややもするといわゆるダークサイドに
落っこちてしまいます。
何かの本でもあるように、この道は、剃刀の刃のようなものです。
傷つき、落下する事が常態なのです。

この段階では、誘惑と罠がより巧妙に仕掛けられています。
ですので、彼らは、何度も何度も同じ道を歩かされることに
なることもありえます。

とりわけ、非常に高い壁にぶち当たるのが、神であることです。
彼らは、途中、このように問いかけるはずです。

「私もまた、神であるなら、なぜこんなに苦しい目ばかりに
出会うのだ。神なら、解決できるのではないか?」

☆失うこと

神の特質は、創造性と許すことです。
この段階に来ると、多くの人は、お金に困っている場合が多いです。

なぜなら、仕事を辞めてしまうことがほとんどだからです。
辞める理由は、もちろんそれがふさわしくないからです。

以前は大好きでやりがいを感じていたとしても、
ある目覚めが起こってしまったのなら、もうその仕事に何の興味
も感じなくなることがほとんどなのです。

言ってみれば、今まで説明してきた一つ一つの段階を上がって行く事は、
自分自身だと思っていたものを、常に捨てていくプロセスを辿っていくのです。

自分が大事にしていたキャリア、車、家、家族、恋人、預金…。
このようなもの全てを失っていくのです。

私が経験してわかるのは、
なぜこのようなものを失うはめになるかと言えば、
自分には何も必要がないことを知る為です。
大事だと思っていたものがなくても、自分が存在していることに気付く
ためにあるようです。
そして、失う対象は常に、自分以上に大切にしてきたものになるのです。
自分がその対象物に”夢中”になっていればいるほど、必ず失います。

なぜなら、自分以上に大切なものはない事に気付かなければいけないからです。
最優先事項は、”私”なのです。
そのことに気付く為に、あなただと思っている全てのものを失っていきます。

ですので、この帰還のプロセスは想像を絶する苦しみを伴うことが大半です。
こういう理由から、ほとんどの人は、夢にいることを望むのです。
そして、こういう理由から、家に還ることを決心する人は、
大抵その苦しみに耐えるだけのタフさを身につけているのです。
つまり、上手く出来ているのです。

さて、このB段階でつまづくのは、創造性です。

「私は、お金を、仕事を創り出す事ができない。神なのに。」

概念として、私もまた、神であることはわかっていても、
実生活は、まったく神らしくないことに、うんざりするでしょう。

ここで、彼らは、その原因を自分の信念体系に求めます。
つまり、自分の信念が創造性が生まれることを妨げていることに気付くのです。

そして、自分の信念体系を調べ続け、それを理想的なものに上書きしていこうとします。
それを何度も何度も、やっていきます。
あるいは、現実の創造についてもっともっと修練していこうとします。

しかし、どこまでいっても自分の思ったとおりにならないことに、彼らは気付きます。

そして、この壮絶な挫折感、
つまりあらゆる物を捨てても尚、到達できない挫折感が、
もしかすると一筋の光明をもたらすかもしれません。

挫折に打ちのめされても、諦めないでいると、
彼らはついに、根本を見つめるようになるのです。

それは、何でしょうか?
彼らは、元に戻ります。

☆偉大なる気付き

「そもそも、神であろうとしている私とは、一体何なのだ?
私もまた、神である。と私が言う時、私と神との間には、距離がある。
果たして、本当だろうか?
私が神であるなら、どうして”そうなろう”と”努力”する必要があるのか?
そうすることは、つまり私と神が別々のものだという認識があるせいではないか?

では、この苦しんでいる私とは、一体何なのだ?
それこそ問題ではないか!?

この何かになろうとしている私は、恐らく間違ったエゴだ。
だからこの間違ったエゴをどうにかしなければいけない。
そうでなければ、神であることはわからないはずだ。」

このように、”自動的に”初めて、この認識に到達できるのです。
この認識は、理性で考えて導き出すものではありません。
本で読んでも、わからないでしょう。

この認識が、自動的にやってこなければいけないのです。
自動的にやって来て初めて、それが効率的に仕事をし始めるのですから。

このように、彼らは、まずはこの間違ったエゴを何とかしなければいけないことに
危機感を感じます。

ここまで来て初めて、間違ったエゴと対峙できるのです。
言ってみれば、彼らはやっと必要な装備を身につけることが出来たのです。

これがB段階の最終段階です。
そして、ここからA段階に歩み始めます。


(つづく…)



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