前回は、B段階の限界地点について説明しました。

この限界地点を越えると、新しい局面を迎えることになるでしょう。

☆A段階の人間

では、A段階の在り方、及び気付きの特徴を見ていくと、下記のようなものになります。

・自尊心とうぬぼれが最大の問題だと気付く。
・探していたものは、既になっていたものだと気付く。
・偽りを偽りと見抜ける。
・自分が何者かを、直接的に知っている。
・諦める事、御心のままに、の直接的な理解を得て、人生に従っていく。


このA段階に到るまで、自分自身がいかに間違ったエゴに騙され続けていたかを知って、彼らは、愕然とするでしょう。
それは、もしかすると強烈な怒りを伴うかもしれません。
ただ、この段階に来れば、もうダークサイドに陥る事はないでしょう。
なぜなら、彼らは充分に観察者としての基礎が出来上がっているからです。

この段階では、習い読んできた概念を直接体験することになります。
この直接体験が、あなたが関わってきた全ての偽りというショーを見せてくれます。

☆自尊心とうぬぼれ

A段階の最初では、自分の自尊心とうぬぼれが最大の敵である事を理解します。
これは、B段階の信念体系の洗い出しと含めて行われる作業です。

彼らは、あらゆる瞬間に、自分がどれだけ自尊心の餌になってきたかを見ることになります。
これは、今まで学んできた事と矛盾しています。
なぜなら、今までは自分自身を愛する事を学ばなければいけませんでした。
けれども、この段階では、全く逆の理解を得る事になります。

しかし、これは間違っているのではありません。
私達にとって、段階段階で最善の理解というものがあるからです。

自分自身をいつも卑下し、大切にしない事は猛毒のようなものなのです。
それは関わる人や状況全てを汚染します。
自分を卑下する事は、自尊心より遥かに毒性が強いものです。
なぜなら、自分を卑下する人は、自分そのものを見る事はできないからです。
A段階は、自分を真正面から見て、掴んだ人のみが行ける領域です。
卑下する事は、見れもしないのです。それは、とても粗野な段階なのです。

よって、このように卑下し、自分を扱えない人はまず、自分を愛する事を学んでいかなければいけません。掴まなければ、離せないのですから!
そして、自分を十全に愛する事が出来た方は、その次の段階に進み、やがてA段階に辿り着き、事実を理解するのです。
つまり、自分を愛するという時、何を愛しているのかに気付くのです。

さて、自尊心と向き合いだすと、自分がいかにグロテスクなものを守ろうとしてきたのか、そしてそれがどれだけ空虚なことなのかが、やっと分かり始め、同時に、これを越えるのにどれだけかかるのだろうかと思います。
ここでは、まだ実践を積んではいますが、まだ概念としての理解に留まっています。

この作業を諦めることなく、ずっと続けていくと
次に、彼らは、彼ら自身を”直接的に”知る機会に恵まれるでしょう。

☆輝きの中で直接知る

これは、輝きの中で、理解がやってきます。
決して理性では到達できない所から、理解がやってくるのです。

その直接体験によって、彼らは、とんでもなく自分が愚かだったことを
直接的に知ります。
この直接体験によって、彼らは、自分自身が既にそうなっていたことを
知ります。そして、自分が何も知る必要がないことも知ります。
それはまるで、メガネをかけながらメガネを探し続けているようなことでした。

あらゆるマスターやグル、聖者や賢者は皆、同じ事を言い続けています。

☆汝、すでにそれなり

「探しているものは、目の前にあるのだ。汝は、すでにそれなり。」

彼らは、このマスター達が言っていることを読み、学んできました。
しかし、同時に彼らは、これが単なる概念でしかないことも知っていました。
そして、このメッセージを本当に理解できる日が来るのか?
とずっと悶々としていたはずです。

しかしいまや、この直接体験によって、このメッセージを直接的に理解するのです。

彼らは、もう何にもなる必要がないことを理解します。
もう彼らは、手を上げて、ギブアップとしか言えない事を理解します。

今まで、これらは単なる概念でした。
しかしひとたび理解の扉が開いたのなら、それはまさしく事実だったことを知るのです。

そして、この理解が根付いた後、A段階の最終地点に向かいます。

(つづく…)



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